分子整合栄養医学にもとづき治療する場合、最も大切なのは365日摂取する食事です。

 

 生活環境も体質も同じ人はいないため、万人に共通の食事療法はなく、人によって変わります。具体的な食事療法を開始する前には、それぞれの状況に応じて必要な検査が必要です。

 

 万人に共通の食事療法はありませんが、誰にでも共通しておすすめしたい「基礎の食事法」はあります。

もしもあなたの体を家に例えるならば、家を建てるための基礎工事として、受診前に「基礎の食事法」を取り入れていただけたら嬉しいです。

ここでは、実行していただきたい、理解していただきたい「基礎の食事」をご紹介します。

今すぐ実践したい「基礎の食事」8つのポイント

  1. 調味料を無添加にする
  2. 無添加・天然だし汁にする ≫
  3. 良質な油をとる ≫
  4. 野菜は丸ごと食べる ≫
  5. 食材は50℃洗いする ≫
  6. 食べる順番は
    「野菜→たんぱく質→炭水化物」
     ≫
  7. 砂糖を大量に使ったお菓子を減らす ≫
  8. 大型魚を避ける ≫


ポイント1

調味料を無添加にする

 すべての調味料を一気に変更するのが経済的に難しい場合、使い終わったものから無添加に変更してみましょう。

  • 味噌:アミノ酸系の旨味調味料の入ってないもの
  • 醤油:アミノ酸系の旨味調味料の入ってないもの
  • 純米本みりん:原料がもち米、焼酎、麹とシンプルで時間をかけて作られたもの
  • 塩:マグネシウムの多く含まれた塩。おすすめは「沖縄のぬちまーす」「石垣雪塩」。

日本ではカルシウムを積極的に取るようすすめていますが、マグネシウムに対しては無頓着なようです。血圧を低下させ、心筋の保護に働くマグネシウムも積極的にとりたいものです。マグネシウム含有量の多い塩は、高血圧や狭心症の治療に用いられる「カルシウム拮抗薬」の天然ものともいえるでしょう。また、精神安定剤として使われる「トランキライザー」の天然版でもあります。


ポイント2

無添加・天然だし汁にする

 アミノ酸、酵母の添加されてないものがおすすめです。市民団体の『食品と暮らしの安全基金』によると、煮干し(ハラワタ、頭とらずに)+アゴだし+昆布でとっただしが、一日のミネラルの必要量を満たすとされています。


ポイント3

良質な油をとる

 毎日の食事で使う油にも気を配りたいものです。

調理法によっておすすめのものが変わります。

◆良質な油の条件

  • 黒や緑色などの遮光ビンに入っている
    ※ただしココナッツオイルは遮光ビンでなくてOK
  • コールドプレス(低温圧搾、化学溶剤不使用)
  • 一番絞り
  • オーガニック

◆生で摂取する場合

  • えごま油
  • しそ油
    ※いずれも加熱はしないで使用してください

◆揚げ物など火にかける場合

1番 ココナッツオイル

2番 オリーブオイル



ポイント4

野菜は丸ごと食べる

 野菜や肉などの食材は50℃洗いがおすすめです。スチーミング調理技術研究会代表の平山一政さんが考案した方法で、NHKでも何度も放送され、佐賀の『矢山クリニック』でも採用されています。別府、大分で幾度も講演、スチーム教室が開催されました。

 

 野菜や食材が蘇り鮮度がよくなるだけでなく、50℃洗いによって細菌数が減ることが認められています。ただしミンチ肉、薄すぎる肉は実践が難しいようです。

 

 野菜は皮や種、端っこなども捨てずに全部食べましょう。できるだけ農薬の使われていないものがおすすめです。


ポイント5

食材は50℃洗いする

 野菜や肉などの食材は50℃洗いがおすすめです。スチーミング調理技術研究会代表の平山一政さんが考案した方法で、NHKでも何度も放送され、佐賀の『矢山クリニック』でも採用されています。

 

別府、大分で幾度も講演、スチーム教室が開催されました。

 

向井病院の栄養課でも実践しています。

 野菜や食材が蘇り鮮度がよくなるだけでなく、50℃洗いによって細菌数が減ることが認められています。ただしミンチ肉、薄すぎる肉は実践が難しいようです。


ポイント6

食べる順番は
「野菜→たんぱく質→炭水化物」

 ごはんを食べる順番は野菜から、つぎに肉や魚などのたんぱく質、そしてご飯やパン、イモなどの炭水化物というルールを習慣づけましょう。


ポイント7

砂糖を大量に使ったお菓子を減らす

 砂糖をとる量を減らしましょう。

それにはまず、砂糖が多く入ったお菓子屋やジュースを減らす、やめるのが早いですね。

人によって代用する甘味は違います。


ポイント8

大型魚を避ける

 魚を食べるのはよいのですが、なるべく大型魚を避けましょう。マグロやカツオよりは、サンマやあじなどの魚がおすすめです。


基礎の食事法の注意点

 上記は万人におすすめと考えていますが、その食材にアレルギー物質がある場合、合わないと思われる場合は無理しないようにしてください。また、激しいアレルギー等の自覚症状のない場合の体調不良として、食べた後の腹部膨満感、下痢、便秘などがあります。

 

 栄養療法においては、グルテンフリー食、カゼインフリー食、高たんぱく食、発酵食品摂取をお勧めする場合があります。しかし、人それぞれ胃酸の分泌状態、腸内細菌の状態により腸に良いと思われる食材、サプリメントは違うものです。ですから検査後、具体的な食事療法の開始をおすすめしています。